2014年10月26日

ザ・ロード

観た理由は【ヴィゴが出てたから】というだけでしかないこの作品。
何となく以前見た【ザ・ウォーカー】とかぶる所があるなーって事でレンタルしてみました。

感想:え、そこで終わり!?

【ストーリー】
大災害により文明を失ってから10年以上経った世界、空は塵に覆われ寒冷化が進み動植物は死滅していく。生き残った人間は餓死するか自殺するかお互いを食 い合うしかない。そんな荒廃した世界においてもなお父と息子は他人を助け、善き者であろうと生きつつ寒さから逃れるため南を目指し歩き続ける。
(Wikipediaより)



なんといいますか、徹頭徹尾盛り上がりっていうのはない地味〜な作品なんですけど、常に一定の緊張感があります。
登場人物には名前もなくて、ただの父と息子という、それだけ。
父と息子はたった2発の銃弾の入った銃を手に、最悪の場合には酷い死に方をする前に自分の手で死ぬ、という悲壮すぎる決意をして南へ向かいます。
何で南なのかは本当よく分からないというか、世界があんな状況なんだから南へ行って何になる?という気はするんですけどね……
とにかくこの悲壮すぎる決意が悲しくて、それでもその中にある父親の愛というものが胸に詰まります。
ただ息子のために……そんな映画です。

とにかく画面には色がないです。
息子が途中で立ち寄った滝にかかった虹を見て「綺麗な色!」と言うくらいには色がないです。
そしてとにかく画面が暗い!!日中でもほとんど暗いので、明度調整必須かもしれません。
でも、父子が安心して過ごしたほんの少しの間にはちゃんとカラーがあるんです。
いや全編通してカラーなんだけど、明確に色があるのが食料のある地下室を発見してからの1日ちょっとだけ。
それがふたりの心を物語っているようで、とても切ない。

実はこれを観た理由のひとつが「汚いヴィゴが好き!」という理由だったんですけど(エレスサールよりも馳夫が好きよ、的な意味で)、この作品中は登場人物全員汚いです。
動植物が死に絶え、人が人を食い、な状況では仕方がないとは言え、常に誰もがホームレスみたいな格好。
それがまた終末観を煽って切なくなるんですけどね……

何が一番切ないってラスト。
あの地下室で、父親が怯えずにほんのあと1時間でも立ち止まっていたら、彼らはもっと安全に旅を出来ていたのではないか、という所。
でも逆に、そうなっていた場合父親は心にでっかいダメージを食らうかも、という気持ちもするんですよね……
あの旅人一家にはちゃんとママが居たから……

母親の描写がまた秀逸で、子供を産みたくないと叫ぶ所や、何もない暗闇に去ってしまうシーンなんかは、追い詰められた人間の狂った恐怖を感じさせました。
もう本当にそういう心理描写が秀逸すぎて、常にドキドキするんです本当。
ただ眠っているだけなのに何かあるんじゃないか、この後全てを台無しにされてしまうんじゃないか……そんな心配を常にしながら見る作品。

ラストは、彼らのその後なんかは一切書かれていない尻切れトンボ的な「後は君たちの心の中に」的なエンドなんですけど、それがまた想像力を書き立てられます。
欲を言えばその後をちらっとでもやってくれれば!と思いつつ、あの状況で生き延びられる気はしない……でも、犬という人間以外の存在が出現した事で得られる希望というのは確かにあって……という何ともかんとも「うぉお!」っとなるラストでした。

色々書きたい部分はあるんですけど、観る人によって確実に見る部分の違う作品でもあるので、一度観てみてもいいかも、という気はしつつも、【ザ・ウォーカー】のようなカタルシスもアクションもその後も一切ありませんので、さっぱりしたい人には不向きです。
家族ドラマや鬱映画が好きな人にはいいかもしれない。
個人的には、【ザ・ウォーカー】のような南へ向かう意味だとかそれによる救いがもっとちゃんと欲しかったなーと思いつつも、それがないところがまたリアリティというものなので、これを書きつつもじっくりと考えちゃう作品なのでした。

☆☆☆★★
posted by カル at 01:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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